コンサルタントとしての重要な事柄として「相手目線」という観点があげられます。これは、コンサルティングの対話の中では、とても重要な観点であり、クライアント側が、コンサルタントの話す話の内容に耳を傾けなくなってしまうと、関係性がゼロに等しくなる事を表わしています。コンサルタント側からしてみれば、論理的にも、情報の重要度としても、自分側に落ち度がないと感じられていても、クライアント側から、「不明瞭だ。不必要だ」と告げられてしまえば、そこで幕は下りてしまう事もあるのです。コンサルタントに求められる能力として、相手の立場や目線上での対話ができるといった「対話術」があります。実際には、このような対話術に長けた人々が、コンサルタントとしての世界を、生き抜いていける人々であるとも言えるのです。クライアントの懐に入り込み、どれだけ、自分の意志を伝えられるか、といった対話力が、コンサルティングの現場では、必要不可欠となってくるのです。このような説明をすると、クライアントとの対話の中で、コンサルタントに求められる事として、論理的に話す事が重要なのだと、思いこんでしまう人々がいるのですが、論理的な思考や会話力は、コンサルタント自身の考えアイディアをまとめる時には、重要ですが、クライアントとの対話術の中では、それ以上に必要なものがあります。それは、一言で言ってしまうと、クライアントとなる、相手とのイメージの共有になります。未知なるビジネスの領域や、プロジェクトについて話し合われる対話の中で、同じイメージをもって会話が進行されている場合と、そうでない場合があります。コンサルタント側が、いくら論理的な説明を行って、クライアント側にとって有意義な情報提供を行っていたとしても、その対話から抱いたイメージが全く違ったものに写ってしまっては、意味がなされません。コンサルティングの対話術の中で大切な事は、会話をしている内容のお互いのイメージの共有性にあります。