コンサルタントの仕事の実際

投稿者: | 5月 12, 2020

コンサルタントが勤務する会社、すなわちコンサルティングファームは、一般企業とは様相を異にしています。例えば、コンサルタント個々人の「所属部署」という概念がありません。普通の会社であれば、業種に関わらず、会社としての機能が専門分化された結果としての部課が存在します。各部課では管理職が設けられ、その管理職を纏め上げる役員も活躍します。つまり人事はピラミッド型になっており、それに従って命令指揮系統が運用されます。それに対してコンサルティングファームでは、明確な部課、上下関係が存在しません。人事や総務、経理はコンサルタントのサポート役に過ぎず、それ以上の働きを持ちません。ですから受注した案件を多くの部署が協働して処理するという方式ではなく、あくまでもコンサルタントが全ての工程にコミットするのです。因みに一般的な工程としては、ヒアリング、長さ、仮説の構築、検証、戦略提案、実行という段階が考えられます。これらの工程をこなす上で、コンサルタントはまずクライアントをマトリックス型の類型で区分します。具体手には、メーカー、流通、NGOといった事業形態と、人事、組織、業務等の類別とで作り上げられるマトリックスを使用することになります。そして当該区分に特化したコンサルティングを提供するのです。ただマトリックスは厳格に区分されるわけではありません。例えば、人事に関する案件の場合、メーカーであろうが流通であろうが、それほどコンサルティング内容に差は生まれないはずだからです。もちろんコンサルタント個々人の力量によるところも大きいため、若手とベテランとでは扱い方が異なる可能性もあります。いずれにしてもファーム内ではコンサルタント一人一人の裁量に委ねられているため、その判断が適切かどうかは経験によって感得していく他ありません。

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